すでに「お知らせ」を通じてご存知の方も多いかと思いますが、STAGLEE では、2020年3月1日より「STAGLEE Player」という名称の新サービスをスタートさせました。
STAGLEE Player は、STAGLEE にご登録のミュージシャンをはじめとする「パフォーマー」が、自身で企画した動画コンテンツ等を発信できる場を提供する「有料サービス」です。
実は、この「有料サービス」というところがポイントなのですが、Q&A形式で解説いたします。
自身で企画したコンテンツ等を発信できる場、というのはどういう事?
正確には、STAGLEE 内に専用ディレクトリが用意され、そこに自身で制作した記事を追加していくことになります。この専用ディレクトリにアクセスするためには、特定の「アクセス権」が必要で、このアクセス権を自身で決めた価格で販売することができます。
STAGLEE Player をご利用いただくには、上記のビル例では賃料に相当する「年間費」が必要となります。この年間費には、上記「アクセス権」の自動販売機能も含まれます。
チャンネル開設についての概要は「STAGLEE Player:概要 《チャネル開設で収益を得る》」をまずご覧ください。
記事についての方法や、動画コンテンツの作成については「STAGLEE Player:記事を作成する」で解説しています。
動画コンテンツには興味があるけれど、機材等を用意するのが大変では?
iPhone だけで撮影された映画が存在する時代です。また、iPhone にも Mac にも、標準で「iMovie」という映像編集ソフトウエアがインストールされています。
本格的な撮影をするためにはある程度投資が必要となりますが、最初に投資をしなければ始められない、ということではありません。但し、室内で撮影する場合には、照明機材は何らか用意した方がベターでしょう。
動画コンテンツなら YouTube を使えば良いのでは?
しかし、もし動画をアップして「収益を上げたい」と考えているのであれば、動画内容によっては労力が無駄に終わる可能性が大いにあることを知っておかなくてはなりません。
YouTuber は実際いくら儲かる?
このところ YouTuber(ユーチューバー)という言葉をよく耳にするかと思います。
YouTube に動画をアップして人気を集めれば、生活できてしまうくらい収益があがる、なんていう話が一人歩きしています。実際、YouTuber として成功している方は少なからずおられるので、この話自体は決して嘘ではありません。
YouTuber がなぜ儲けを出せるのかと言えば、YouTube 自体が「広告モデル」で成り立っているウェブサービスだからです。YouTube で動画を観ようとすると、テレビと同様な CM が流れます。あのCMに対する広告料に支えられています。
某YouTuber が公表している情報によりますと、その方の場合、1再生あたりの単価は0.18~0.36円だったようですが、諸条件によって増減するようです。 単純に計算しますと、月に40万回の再生があったと仮定した場合、72,000~144,000円が YouTube から支払われることになります。このように算出すると、やはりスゴイですね!(他にも、バナー広告やオーバレイ広告と呼ばれる広告タイプがありますが、クリックされないと収益は発生しません。)
しかし、動画をアップするためには、その前に当然ながら動画を制作しなくてはなりません。動画制作には「経費」が発生しますので、前述の額がそのまま利益となるわけではありません。広告による収益が低ければ、赤字になることもあり得ます。
万単位の視聴数が望めますか?
ところで、先ほどサラっと「月に40万回の再生があったと仮定」と書きましたが、実はココがポイントです。
YouTube にアクセスしますと、トップページに人気を集めている動画のサムネイルをシステムが自動的に並べますので、「○○万回視聴」というのが当たり前のように映ります。しかし実際は1万回という視聴数でさえ驚くべき数字なのです!
YouTube は、閲覧者側にとっては無料であり、気軽に閲覧できますが、YouTube 内には、人生の時間全てを使っても閲覧しきれない程の動画数がありますので、そこから見つけるのも、見つけてもらうのも大変な話なのです(ただし、主体的に検索すれば、もちろん自分の動画を閲覧者に見つけてもらえる確率は大幅に上がります)。
大衆受けする動画ですか?
実は、有名アーティストのライブでも活躍されている某プロ・ミュージシャンが、YouTuber としても活動されていることを存じ上げているのですが、この「視聴数」という点で眺めてみますと、1年前の動画ですら1動画あたり1,000回視聴数にさえ到達していない現実があります。
内容が悪いから再生されない、という問題ではありません。
内容の判断がなされる前に、そもそも再生ボタンをクリックされるところまでたどり着かないことが問題なのです。残念ながら、毎日膨大な動画がアップされる YouTube という媒体の中では、閲覧者に存在を認知してもらうことがまず大変で、そんな状態の動画チャンネルは無数にあります。
世間の「需要」に合致したテーマの動画をアップでき、且つ、話題性を提供できるのであれば、人気 YouTuber の仲間入りを果たす可能性はゼロではありませんし、それが YouTube の面白さだと思いますが、収益につながる人気動画というのは、音楽に例えれば、それはヒット曲を出すことに近いかもしれません。
往々にしてプロ受けする曲は、音楽性が高く素晴らしいのは間違いないのですが、それがヒット曲になるか、といえば別の話です。
つまり、基本的にYouTube という場で利益を出すためには「大衆に支持される動画を提供できる事」がまず必要で、且つ、人気 YouTuber の多くは「毎日動画をアップし続けている」という事実にも目を向けておく必要があります。
YouTube ではなく STAGLEE Player を使うべき動画コンテンツとは?
昨今誰しもが、噂のYouTuberとして頑張れば、膨大な収益がやってくると夢想しています。
しかし現実は、閲覧者が観たいと思うものを提供できていない限り、なかなか厳しい、というのは前述の通りです。
STAGLEE にご登録頂いているパフォーマーの方々は、当然ながら、素晴らしいコンテンツを生み出す「原資」をすでにお持ちです。それは例えば、演奏であったり、演奏を支えるノウハウであったり、プロとして培ってきた経験値なのかもしれません。
その原資は一瞬では決して手に入らない、「価値」そのものです。
その「価値」を、YouTube のような広告モデルにのせて提供し続けたとしても、その価値に気づく方が10万人単位のレベルで存在し得るでしょうか。パフォーマーが持つ「原資」は、大衆受けするものとは一線を隠すものではないでしょうか。
しかし、閲覧してもらう対象が大衆ではなく、コアなファンやプロ予備軍だとしたらどうでしょうか?
「100名程度の視聴者数を集め、それを維持することができれば、年間数百万円の収益が確実に生まれる」といったシステムの方が、YouTube よりも現実的ではないでしょうか(販売価格設定により収益額は大きく変わります、事前にご確認ください)。
YouTube と STAGLEE Player とでは収益モデルはどう違う?
- YouTube:広告モデル
- STAGLEE Player:サブスクリプション(定期支払いモデル)
広告モデルの代表格はテレビです。
テレビを見るときに視聴料は発生しませんが、代わりに広告主のコマーシャルを見せて、広告主の商品を購入してもらうことで成り立つ仕組みです。この仕組みを支えるためには膨大な視聴者数を必要とします。また、大きく成功した場合の収益額が莫大になる可能性を秘めています。
一方、STAGLEE Player が採用するサブスクリプションは、視聴者に直接「少額の定期支払い」を求めます。
教室等で支払うレッスン料に近い形態ですが、教室の場合と違い、オンライン上では物理的な制約がないため、理論的には収益の上限はありません。また、広告モデルの場合は膨大な視聴者数を集めることができなければ収益化が難しい側面がありますが、サブスクリプションの場合は採算が取れる人数が極めて少人数から、という特徴があります。
STAGLEE Player に直接動画をアップできるの?
動画コンテンツを作成する場合は、外部サイト「Vimeo」の利用を推奨しております。
Vimeo を利用すると、Vimeo のセキュリティー機能を利用することで、動画コピーにより不正利用されてしまう、という危険性が極めて低くなります。
なお、STAGLEE では、Vimeo 利用に関するサポートは行っておりません。Vimeo ヘルプセンターをご活用ください。
STAGLEE Player 向きのコンテンツ企画は?
STAGLEE は多言語サイトです。英語コンテンツも同時に配信すれば、英語圏の視聴者獲得に道を開くことも可能です。
STAGLEE Player では、パフォーマーが、自身で企画した動画コンテンツ等を格納するチャンネルを持つことが特徴のひとつですが、そのチャンネルへの「アクセス権」を購入してくれるチャンネル閲覧者を集められるものでなくては成立しません。
以下の「コンテンツ企画」例を参考に、ぜひ人気チャンネルを創出してください!
(いずれも動画コンテンツを想定していますが、STAGLEE Player では、動画コンテンツ以外もOKです!)
オンラインレッスン
以下の特徴や理由により、STAGLEE Player とオンラインレッスンはとても相性が良いと思われます。
直接指導するレッスンや教則ビデオと共通するところ、有利なところ、不利なところ、といった様々な視点で比較検討なさってみてください。また、上記の「 YouTube と STAGLEE Player とでは収益モデルはどう違う?」もご参照ください。
1回のレッスンがずっと残る、ずっと伝わる | 直接指導 教則ビデオ | |
通常、直接指導のレッスンの場合、教える相手が変わる度に同じレッスン内容を繰り返す必要がありますが、オンラインレッスンなら、収録した1回のレッスンが将来の受講生にまで伝わり続けます。収録したレッスンは財産となるのです。 | ||
レッスン単価を下げられる | 直接指導 教則ビデオ | |
直接指導のレッスンの場合、1時間分のコストを受講生から回収する必要があるため、レッスン単価は高額になります。 オンラインレッスンの場合、物理的な移動を必要としないため、受講生を集めやすく低価格が実現します。また教える人数に上限もありません。 | ||
価値が向上し続ける | 直接指導 教則ビデオ | |
チャンネルにレッスン動画を追加し続けても、チャンネル閲覧者の支払いは毎月定額です。従って、相対的にチャンネル閲覧者は割安感を得ることになり、チャンネルの価値は向上の一途を辿ります。 チャンネルの価値が向上すれば、それがまた人を集める原動力となり、収益は向上します。 | ||
学習には絶対的な時間が必要 | 直接指導 教則ビデオ | |
レッスン動画は視聴できたら「はい、終わり!」という類のものではありません。 学習には絶対的な時間を必要とするため、(コンテンツ内容に満足している限り)チャンネル閲覧者にキャンセルする理由はなく、通常定期支払いは継続されます。 | ||
疑問を解決 | 直接指導 教則ビデオ | |
STAGLEE Player には「ディスカッション機能」があるので、チャンネル閲覧者は質問を投稿することができます。 また、投稿時には PDFを添付できるので、譜面等を配布することが可能です。 | ||
誤りを修正できない | 直接指導 教則ビデオ | |
直接指導するレッスンの場合は、受講生の理解度や演奏等を見ながら誤り等を修正する指導が行えますが、オンラインレッスンではそれは不可能です。逆に言えば、この点を除けば、直接指導するレッスンや教則ビデオよりも、オンラインレッスンの優位性はかなり高いといえます。 |
セッション
ライブ会場でセッションの場合、1ステージを構成する前提で演奏を行っています。
スタジオでのセッションならば、1曲単位で動画に収録する、という事が可能であり、その前提ならではのセッションが行えるのではないでしょうか。
例えば、毎回違うゲスト・プレイヤーを招いて行う「Duo セッション」。
同じ曲でも、一緒に演奏する相手が変わるとガラリと雰囲気が変わる、なんていう動画は興味深いものとなるはずです。
(著作権処理や、出演者との利益配分に課題がありますが)スタジオ・セッションという企画も人気を集めることでしょう!またはチャンネル閲覧者が「擬似的なセッションを楽しめる動画」があれば、チャンネル閲覧者に喜ばれる可能性大です。
居酒屋トーク
ミュージシャンが数人集まり、それぞれがインタビュアーになりながら居酒屋トークを繰り広げれば、テレビ番組のような面白い動画ができるに違いありません。呑みながら話すだけで仕事になる、と言えば大袈裟ですが、案外人気コンテンツになるかもしれません。
但し、あとで後悔しないような内容となるよう、動画編集後のチェックをお忘れなく・・。
ノウハウ
YouTube において、誰も知らない一般の素人から YouTuber として成功を収めた人の中には、この「ノウハウ」がベースとなっている方がいます。例えば、「ゲームの攻略法」というがコレにあたります。
あるいは、様々な商品をメーカーに成り代わって解説する動画も視聴者数を集めています。
気になっている商品について事前に具体的な情報を得られる動画は閲覧者の需要を満たしており、また検索で動画を見つけてもらい易い側面があります。
この発想を使えば、パフォーマーの身の回りには「プロならではのノウハウ」が色々あるはずです。プロだからできる解説を付けたノウハウ動画があれば、一定の需要を掘り起こせることでしょう。
適切な価格設定を行うには?
サブスクリプションの仕組みをよく理解して、可能な限り低価格にすること
それが集客力を高め、チャンネルを成功に導きます
STAGLEE Player の収益モデルは「サブスクリプション」です。
YouTube のような「広告モデル」とは違い、閲覧者に直接課金を行います。閲覧者は、一度申込を行いますと、自身でキャンセルしない限り、一定額を毎月支払い続けます。
この「サブスクリプション」の特徴は、商品を提供する側は、一旦あるデジタル商品を制作したならば、その商品を「未来のお客様」にもそのまま提供できる点です。つまり新規の顧客が増える度に何か作業が増える、ということがないのです。
また、課金をされる側にとっても大きなメリットがあります。
それは価格です。同等のサービスを「低価格」で受けることが可能となります。
例えば、自分一人のためだけに行う個人レッスンであれば、講師1時間分のギャラをその方が全部支払う必要があります。しかし、このサブスクリプションの場合、講師のレッスンをいわば複数の人でシェアをするような感覚なのです。
仮に講師のギャラが1時間1万円とした場合、20名でのシェアが成立するならば、一人当たり500円で済む計算となります。
しかも、オンラインレッスンであれば、その10人がそれぞれのタイミングで受講することが可能となり、教室に行くような物理的な制約はありません(世界のどこに住んでいても受講申込が可能です!)。また受講生は繰り返し動画を見ることが出来るので、学習効果を高めることができます。
チャンネルを開設して「チャンネルへのアクセス権を販売する」場合、その販売価格は、以上のようなサブスクリプションの仕組みや特性をよく理解して値付けする必要があります。例えば、チャンネルでオンラインレッスンを行う場合、個人レッスンの感覚で価格を決定すれば、おそらく失敗を招きます。
- 年間でいくら利益が発生すれば満足なのか
- 収益と経費はいくらで、損益分岐点はどこなのか
- コンテンツ制作にどれくらいの時間を要すのか
- チャンネル運営に協力者は必要か(= 人件費)
- チャンネルで取扱う内容に需要はどれくらいあるのか
- 申込者は年間いくら支払うことになるのか
- 結局、どれくらいの視聴数が見込めるのか
以上のような点を多方面から検討し、また周りからの意見も集約しながら、適正な販売価格を見つけて下さい。
価格は安くても高くても集客に影響が出る重要な要素です。